【決算分析】早稲田アカデミー(4718)|2023年度第1四半期は赤字縮小・順調に成長!

4718-早稲田アカデミー-2023年度Q1決算分析

本日は、首都圏で小中高生を対象とした進学塾「早稲田アカデミー」等を展開している早稲田アカデミー(4718)に関して、2022年7月29日(金)に2023年3月期第1四半期の決算短信が開示されましたので、個人的な見解を纏めたいと思います。

たこ

早稲アカに関する企業概要や配当金情報、株主優待については以下記事でもまとめていますので、ご興味ある方はそちらもご覧いただけるとうれしいです!

目次

売上高/営業利益ともに順調

売上高は生徒数の伸長を反映し前年同Q比+11%!

2023年度第1四半期の売上高は57.99億円(前年同期は52.32億円)、前年同期比で+5.68億円(+10.8%増)となりました。以下の通り、小学部・中学部をはじめ生徒数が大きく伸長したことで引き続き売上高は好調を維持しています。

今期の売上高成長率(+10.8%)は、2022年度の同成長率(+18.3%)と比べると成長スピードが鈍化しているように見えますが、2021年度Q1の売上高44.22億円は新型コロナウィルスの感染拡大の影響を大きく受け、前年同期比でマイナスになっていますので、昨年の売上高成長率+18.3%は反動増で本来の実力値よりも大きく出ていると考えるのが自然でしょう。よって、事業成長は順調に伸びていると考えています。

早稲田アカデミー 2023年3月期 第1四半期決算短信

㈱早稲田アカデミー 2023年3月期 第1四半期決算短信より引用

利益は赤字幅縮小!

営業利益は-2.97億円(前年同期は-4.16億円)、前年同期比で+1.19億円(赤字縮小)となりました。経常利益は-2.87億円(前年同期は-4.09億円)となり、コンセンサス予想の-3.50億円を上回る結果となりました。

売上拡大に伴い人件費・原材料費・校舎の地代家賃等が増加する一方、変動費用を中心に経費抑制に努め、売上原価・販売管理費ともに予算を下回って推移したとの事です。(売上原価率は前年同期比-2.3pt、売上高販管費比率は0.5ptでいずれも改善しています。)

【コンセンサス予想とは?】
コンセンサス予想とは、経済動向や企業分析の専門家であるアナリスト等が発表する業績予想の平均値のことをいう。

学習塾市場の特徴

たこ

おいおい、営業利益も当期純利益も赤字じゃねえか!と思われた方もいると思いますが、学習塾は1月~3月にある中学/高校/大学受験を中心に回るビジネスモデルなので、4~6月は売上高/利益ともに少なくなる構造となります。

なお、当社グループでは、通常授業の他に春・夏・冬の講習会及び夏期合宿(夏期集中特訓)、正月特訓等を実施しておりますが、第1四半期においては通常授業を主としていることに加え、塾生数も期首から月を追うごとに増加し1月にピークを迎えるという傾向にあることから、売上高は他の四半期と比べて少なくなります。一方、地代家賃・人件費等の固定的費用が期首から発生することから、例年、第1四半期は損失計上となっております。

㈱早稲田アカデミー 2023年3月期 第1四半期決算短信

通期業績予想に対する進捗率は?

売上高の進捗は前年並みだが利益の進捗は上々

たこ

上の折れ線グラフは各年度の通期実績に対するQ1実績の進捗率を表しています。本年度(2023年度)に関しては会社発表の業績予想値(通期業績予想)を100%として計算しています。

売上高の進捗率は通期業績予想に対して18.7%と過去5年と比較して同程度となりました。一方、営業利益・経常利益・当期純利益の進捗率はそれぞれ-13.8%、-13.2%、-24.3%で、前年同期比で+9.0pt、+9.0pt、+4.4ptとなっており、費用抑制への取り組み効果が窺えます。過去5年間の進捗率を見ても今期のQ1実績が良いことが分かります。

今期の業績予想

縦棒グラフは売上高・営業利益・当期純利益、折れ線グラフは通期業績予想に対するそれぞれの進捗率を表しています。なお、Q2,Q4の数値は会社が業績予想として開示していますが、Q3の業績予想は開示されていないため過去5年間の進捗率の平均を用いて当サイトで作成した参考値を記載しています。

2023年3月期の業績予想は、売上高310億円(前年比+25.5億円|+8.6%)、営業利益21.5億円(+前年比3.3億円|+18.1%)で引き続き順調な成長を予定しています。

第1四半期は売上高・利益ともに順調だと思っていますが、受験で生徒が入れ替わったばかりの第1四半期は通期業績に与える影響が最も小さいので、通期業績を達成するためには今後も同様に生徒数を確保・伸長させ、費用抑制も出来る部分は継続していく必要があると思われます。

今後の着目ポイント

第2四半期の業績が最大のポイント

たこ

以下の積み上げ棒グラフはQ別の売上および営業利益の推移を表しています。売上・利益ともにQ2が最も重要な四半期であることが分かりますね。

ご覧の通り、Q別に分けると売上も営業利益もQ2で最も稼いでいることが分かります。受験業界では「夏が受験の天王山」など受験生にとって夏が最も重要な時期だと言われていますが、学習塾にとっても夏が重要であり、7月中旬から8月末にかけて行われる夏期講習が業績に大きく寄与していることが分かります。以上のように、通期業績予想達成のためには、まずQ2の業績がどうなるか?というのが最大のポイントになると思います

また、Q2の業績予想を見てみると売上高は149.22億円、営業利益は8.79億円となっています。ここからQ1の実績値を差し引くと、Q2単体で売上高は91.23億円以上(前年同期比+7.6%)、営業利益は11.76億円以上(前年同期比 -11.8%)を計上すればQ2の業績予想を超えてくることになります。営業利益に関しては2019年度,2020年度でも12億円超になっていますので、何か大きな費用計上がない限りは上方修正も期待できるのではないか?と淡い期待をしています。

たこ

勝負の夏。はたしてどうなるか。私、楽しみです!!

9月は配当金と株主優待券がもらえる!

配当金予想と9月株主優待

たこ

最後に配当金と株主優待のまとめです。早稲田アカデミーは9月末,3月末に配当金・株主優待をもらう権利が付与されます。
配当金は年2回で、2023年3月期の配当金予想は中間配当が8円、3月の期末配当が16円です。

株主優待も年2回。9月末は1単元(100株)以上保有している場合は、グループ各社で入塾金や授業料等が割引になる株主優待券5,000円分をもらうことが出来ます

また、株主優待は継続保有期間が3年以上となる場合、長期保有特典もあります!

㈱早稲田アカデミー ホームページより

株主優待に加えて、配当金予想(年間2,400円/100株)を考慮すると100株投資した場合の総合利回りは、継続保有3年未満の場合でも7.2%、3年以上の場合は12.4%となっています。良き。

項目継続保有3年未満継続保有3年以上
株主優待券5,000円10,000円
QUOカード1,000円2,000円
配当金(予想)2,400円2,400円
合計8,400円14,400円
総合利回り7.2%12.4%
1株1,160円で計算/税金未考慮

まとめ

生徒数の伸長が好調で、Q1は順調に成長

  • 売上高は前年同Q比+10.8%で好調
  • 利益はコンセンサス予想を上回り、赤字縮小
  • 通期業績予想の達成は第2四半期が最大のポイント
  • 株主優待も加えた総利回りは7%~12%程度

当サイトでは、具体的な銘柄や投資信託について記載することがありますが、個人的な見解であり、売買の推奨等を目的としたものではありません。免責事項をご確認の上、各商品及び取引のリスクを十分に理解した上で投資判断は自己責任で行うようにお願いいたします。

4718-早稲田アカデミー-2023年度Q1決算分析

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